師走も近いある日の想い
2003/11/27記
大槻剛巳
今年も師走を残すばかりとなってきてます。とはいえ,十二月には我々の教室では,日本免疫学会への参加と発表,また,分子予防環境医学研究会での発表も控えてますし,加えて,来年の日本衛生学会や日本産業衛生学会への抄録作製用の実験にも追われている次第です。
2003年前半に学内で記しました,いくつかの雑文(教授挨拶ページの下段よりアクセス)には,我々の教室のテーマとして,
(1)環境物質による自己免疫異常発症機転の解明
(2)骨髄腫細胞をモデルとした悪性細胞の発生・進展機序に関わる因子の抽出
という2つを挙げてきました。
実際,現行の科学研究費や学内のプロジェクト研究費で,私が研究代表者になっておりますのは,(2)のテーマに関連する研究であります。
しかしながら,ここ数ヶ月,いろいろな同年輩の先生方の(1)のテーマ,そして,(2)のテーマに関連するご講演を拝聴させていただく機会があり,私自身が痛感するのは,現在の我々の教室は,文字通り「二兎追いの一兎をも得ず」状況になっているのが実態ではないか,という疑念,というより,確信であり,この状態を継続することは,良くないことであろうという想いです。
そこで,教室の中でのstaff meeting 等で,議論を交わした上で,やはり,我々の教室としては,
「環境物質による免疫異常発症機転の解明」
というテーマを大きな幹として(即ち,狭い庭に二本もの木を植えて,根が養分を取り合いするようなことなく,植えるのは一本にして,すべての養分等が,その木を育てるために使われるようにするってこと,かな?),しかし,これまで以上に,枝葉の広がりや天に向かって伸びる勢いを太く大きくしていこう,という結論になりました。
とはいっても,今の処,意気込みばかりで,なかなか実態が伴わない状況でもありますが,なんとか,こういう気持ちで頑張っていこうと思っております。
来年度刊行の 川崎医科大学発行「教育と研究」2004年 においても,従来までの記載を変更し,研究分野及び主要研究テーマを「環境免疫学」のみとし,ここに集中する気構えを広く宣言することにより,自らへの叱咤激励,鼓舞する力と為さんと,気持ちを戒めております。
関係の先生方,今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
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